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日本企業ミステリー

日本企業ミステリー

〜 日本企業の不思議なお話の例 〜

日本企業の、いろいろなおもしろい話を紹介していきます。実際にその日本企業に入社してみないとわからないこと、また転職することでわかった業種の変わった慣習等、日本企業へ転職するときの業界研究、業種研究のヒントにしてください。

スタンプラリーする人々

 新しい企画書などの稟議を通すためには、上司に判子を押してもらわなければならないのが普通でしょう。
 3〜5個程度の判を集めるのは、決して珍しいことではありませんよね。
 そして、判子を押してもらうたびに、内容を一部書き換えるような指示が出て中身がおかしくなる、また何の企画だったのかわからなくなるということを経験された方も多いことでしょう。

 ある歴史の長い大企業では、これが“スタンプラリー”と呼ばれていました。

 その企業では、念のためという考え方で、関係する全ての部門の確認を取るのが慣例になっていたのです。そのため自分の部門内で完結する案件はいいのですが、他部門に影響が生じるような案件であれば、その他部門の判も集めなければなりません。特に企画部門になると、ひとつの案件に対して関連する部門が複数にまたがってしまいます。

 ある担当者は、関連する部門が7つにも渡る案件を持っていました。その顛末は、お察しの通り・・・ 7×(係長、課長、部長)で、計21個の判を、一週間かけて集めたそうです。急ぎの案件だったので、その場で押してもらうべく、説明もして回ったため、まさに同じ言葉を繰り返しながら歩き回る一週間のスタンプラリーだったそうです。途中で、修正が入ると、それまで集めたものが無駄になってしまいます。「これさ、○○なんだよね。変えられないかな?」との関連部門からの指摘に、「ここまで判子を集めたので・・・」と目に涙を浮かべることで乗り切ったと青い顔で話していました。スタンプラリーにはテクニックも必要になるのです。

 また、判を押す側にもテクニックを持つ人がいました。その人物は判子を2つ持って使い分けていました。ひとつの判子は、インクが薄くなっているもの、もうひとつはインクが濃いものです。これを上がってきた案件によって使い分けしているのだそうです。自分が気に入らないが、自分の上司からの指示で上がってきた稟議には、薄いインクの方を使います。すると不思議、コピーすれば、自分の名前は消えてしまうのです。後日の会議の場などで出てくる資料には必ずコピーが使われますから、知らんぷりしていれば、自分関わったことがわからないとのことでした。いろいろなテクニックがあるものです。



「元○○部長の・・・」と過去の名刺を使い続けるOB

 「元○○会社 部長の・・・」と、過去の経歴で自分を紹介する人々がいます。個人名だと、自分が何者なのか示すことができないため、元の仕事の肩書きで自己紹介するのでしょう。確かに名前だけでは話のきっかけが生まれにくく、有名な企業名があれば、そこから話のきっかけを掴むことができますが、どうでしょうか?

 人によっては、「元、一部上場企業の○○で部長をやっていた・・・」と聞いてもいないのに、上場するほどの立派な会社であるということを教えてくれる場合もあります。きっと「私は、一部上場企業の○○で部長をやっていた人間だよ。君とは違うんだよ」とおっしゃられたいのでしょう。気持ちはわかるのですが・・・

 ちなみに、転職の相談で一番やっかいなのが、「どのような仕事ができます?」という質問に、「部長ができます」と自信満々に答えてくれる方です。

 あなたの周りにも、こんな方々いませんか?



転籍前の人々が集まる部門

 これも、ある大企業での話です。そこは、歴史のある大企業であり、数多くの子企業、孫企業を抱えていました。また取引先の数も莫大です。

 そんな会社に勤めて20年余り、中年になってくると、そのまま出世し幹部になる人間とならない人間は決まってきます。このとき幹部にならない人間は、本人がいやであっても(きっと、いやなはずですが)外部の企業へ活路を見いださなければなりません。その大企業には、そのような人々が転職(転籍)前に集まる部署というのがありました。

 それまで働いていた部署から離れ、その転職のための部署へ異動し、そこで数ヶ月過ごし(過ごすのです。ほとんど働きません)てから、子会社や取引先企業へ転職するのです。そこでは、皆、部長役という、若手の間では不思議がられる肩書きを付けていました。部長役って部長の役割ですよ! でも、係長のような扱いで、その部長役達をまとめる課長がいました。その上には、本物の部長もいました。

 退職金の総額を増やすために、退職間近の公務員の地位を上げるという話をきいたことがありますが、もしかしたら、そのための部門だったのでしょうか?



会長室専用エレベーターがある会社

 ある大企業のビルには、秘密のエレベーターがあるという噂がありました。

 なんでも、会長専用のエレベーターで、部長クラス以上しかその存在を知らないとのこと。もちろん、一般の社員が使うエレベーターとは別の場所にあり、ガードマンが入り口を守っています。地下の駐車場から別になっており、なんでも会長が誘拐されたりすると大変なことになるという防犯上の理由で公にされていないとか。

 そのエレベーターを下りると、真っ赤な絨毯がひかれた廊下が見えるそうですが、その絨毯の毛の長さは高級ホテル並であり、はじめて足を踏み入れた人間は、他のフロアの様子との違いに足がすくんでしまうそうです。

 残念ながら、その人物は、そのエレベーターに乗れるほど出世せず、噂を確かめることはできなかったそうです。



関連会社が、なぜか水商売

 これは、中規模企業での話です。その企業と取引がある企業の担当者には、不思議なことがありました。担当者が、その中規模企業を訪れて社長と話をはじめると、中年の派手な女性が入ってきました。担当者は「きっと、関係者だろう」と考え、名刺交換を済ませました。ところが、その名刺には別の会社名が書かれています。どうやら別会社の人間のようなのです。しかし、中年の女性は、社長のわきに座り、打ち合わせに口を出してくるのです。

 その後も、社長との打ち合わせがあると、必ずといっていいほど脇には中年の派手な女性が座っていたのです。

 何回目かの打ち合わせのときに、その女性の会社が関連会社だということはわかったのですが、それ以上のことは、なかなかわかりませんでした。しばらくして、その担当者が中年女性のことについて、他の社員に質問したところ、「ん・・・・ 水商売です」とのことでした。どうやら、社長とその中年女性は特別な関係にあったそうです。三流のマンガのような展開に、「人生勉強になった。まあ、いろいろあるよ・・・」と語る担当者でした。



社長視察の前にやってくる軍団

 全国に店舗がある企業で新任の社長が決断をしました。「やはり現場のことを知っておかねばならない。そうだ、抜き打ちで視察をしよう!」

 それからというもの、社長が視察に訪れる支店には、その一週間ほど前に、数名の軍団がやってきて、レイアウトから、掃除、社員の服装まで、全てについて細かい指示を出します。社長がやってきたときに、問題がないようにさせるのです。その強権ぶりに○○軍団という名前が付けられました。

 今では、全国の社員が、その軍団の存在を知るようになりました。でも、ひとりだけ、その軍団の存在を知らない人物がいます。

 そう、知らないのは社長ばかりです。

 そうそう、日本の皇太子は山登りがお好きなようです。皇太子が山を登るときには、その直前に新しくきれいな道が造られるという話があります。登りやすく、案内標識もしっかりした道だそうです。これと同じく、日本人は、本人が気づかぬよう、目立たないところで気配りを進める民族なのかもしれませんね。



監査室という仕事

 某企業では、監査室の仕事が、次のように言われていました。「将棋、囲碁、高校野球、そして4年に一度のオリンピック」また「午前は新聞。午後はお昼寝。夕方からは懇親会」などなど。

 その会社では、監査役というのは定年までの間の名誉職でした。名誉という名前の通り、やらなければならないことは、ほとんど、というか全くなかったそうです。

 でも、いい人達らしいですよ。会社に昔からいる方々なので、若手や中堅ではわからないことを良く知っています。

 そして、時間がたっぷりあるので、いくらでも教えてくれるのですから。雑談が長いのが玉に瑕だそうです。



変わった肩書き

 部長に関係する(と思われる)肩書きにも、部長役、部長代理、部長職、部長付き、○○部部長(○○部長ではない)等々、聞いただけでは、どのような立場なのかわからない肩書きがたくさんあります。

 皆さんの周りには、どんな不思議な肩書きがありますか?



ことばのマジック

 官公庁や伝統のある大企業の一部で、稟議や協議書を書くときに重要なテクニックがあります。一言で言うと「わかりやすく するな!」 その本意は、「理路整然とした文章では、突っ込まれたときにいいわけができない。だから、いろいろないいわけができるよう、文章にいろいろな解釈が可能な余地をたくさん入れておけ」というところにあります。新人は、この技術を上司から徹底的に教え込まれます。

 わかりやすくと箇条書きにすると、ほぼ100%の可能性で、ひとつの文章にするように指示されます。ひとつの文章が5行を越えてしまうこともありますが、それでいいのです。あらゆる質問に、「この部分を読んでいただければ」、「それは、ここに書かれているとおり」「この文章で、そのように解釈できます」と、逃げられる文章が最高なのです。

 たとえば「その高い完成度は、評価〜」という文章は「完成度の高さに、評価〜」と書き換えます。一見、おなじような意味にも見えるこのコトバ。使われている単語は同じですから、深く考えないで受け取ると、両方とも同じ誉めコトバに感じられるかもしれません。  実は、一つ目は確かに誉めコトバですが、二つ目は、本当に誉めているのかどうかは分からないようになっているのです。「低いレベルのあの企業にも関わらず、完成度の高さがありますね。ということです」と、逃げを打てるよう、絶対的な完成度の高さには触れていないのです。完成度が高いとも、低いとも言っていないのです。まさに、日本語の妙。

 どうも官公庁や、伝統的な大企業の本社部門では、結構、重要なテクニックだったりするようですが・・・あなたの身の回りで、みかけませんか?



順番に帰る人々

 世の中にはルールがある。明文化されたルールはわかりやすい。一方、明文化されていないルール(人はこれを暗黙のルールと呼ぶ)は、わかりにくい。以前、「なぜ、人を殺していけないのかを説明できるか?」というテーマで、熱い議論が交わされていたのは、記憶に新しいのではないだろうか。このことを理屈で説明し、納得させることは難しいとのことだった。「それが人間界のルールだ」と言って黙らせれば良いと主張していた人がいたような気がする。確かにルールなんて、そんなものなのかもしれない。今回は、そんなルールのお話し。

 舞台は金融機関。ここでは、いろいろな暗黙のルールがある。支店には支店のルールがあるし、本店には本店のルールがある。全行共通の“暗黙のスタンダードルール”があるし、部門毎の“暗黙のマイナールール”もある。数年毎の異動のたび、新しいルールになじむまではハラハラしたものだった。

 そんなルールの中で大変だったのが「上司より先に帰るな!」という“暗黙!!”のルール。暗黙のルールを言葉にすると単純なんだけど、これを実際にやるのは大変なんだ。ちょっと大きな組織になると、支店長(部長)−次長−課長−係長−係長手前−若手ぐらいの階層がある。上が帰らないと下は帰れない。直属の上司が帰ってすぐに、帰ろうとすると、上司が帰るのを待っていたように思われるから格好悪いし、駅などで会ってしまうリスクがあるからね。だから直属の上司が帰ってから2〜30分は帰れない。これを、上の人間から下の人間まで繰り返していく。つまり、部長クラスが帰って、その30分後に次長クラスが帰って、その30分後に課長クラスが・・・・・・・(以下繰り返し)

 そして、このルールを破ってもいいのは、事務の女性だけ。その他の行員が、これを破ると、「最近、やる気がないみたいだけど、どうよ?」と呼び出されたりする。どこにも、そんなルールは書かれていないし、言われたこともない。

 でも「それが社会のルールだ!」ったんだ。こんなルールでも慣れてしまえば「当然だよ」と、ひとことで片づけられるようになるから、人間って不思議。
 皆さんの周りの暗黙のルールは何ですか?




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